生命保険のうち、人の生死に関するものを「第一分野」、そして損害保険は「第二分野」といいますが、じつは「第三分野」と呼ばれる保険があります。
この第三分野の保険とは、いわゆる「医療保険」の事を指しており、その名の通り、医療にかかわる保障を行う保険とされているのです。
具体的には、手術を受けた際や、入院をした際にその医療費の保障が受けられるというもので、入院保険とも呼ばれています。
これまで、生命保険会社は生命保険のみを、損害保険会社は損害保険のみを扱う事とされてきましたが、近年の規制緩和によって、一定の条件を満たせば双方に参入する事ができるようになったのです。
これによって生命保険会社でも損害保険を扱う事ができるようになり、損害保険会社でも生命保険を扱う事ができるようになったのです。
そして、そうした過程の中で、医療保険はいずれの分野にも参入する事ができる「第三分野の保険」という位置づけとなったのです。
この医療保険自体は、主に外資系の保険会社によって以前から扱われてきましたが、日本国内での規制緩和を迎えるまでは、外資系保険会社の独占的な保険商品として扱われていたのです。
しかし規制緩和を迎えると、日本の生命保険会社もこぞって医療保険を販売するようになり、それによって医療保険の存在が大きく広がってきたと言えるのです。
また、これまで生命保険に託されてきた医療保障の部分が、第三分野である医療保険に移行するような形で需要を伸ばし、現在では「死亡時の備えは生命保険」「傷病への備えは医療保険」といった認識が広がりつつあります。