終身保険には、返戻金が存在しています。 終身保険ですから満期といったものはありませんので、あるのは「解約返戻金」のみです。 ただ、それまでに払い込んだ保険料の全額が戻るといったものではありません。 これは、終身保険が保険であり預貯金ではないためですので、当然の事と言えるわけです。 ですが、契約からの年数が経過すればするほど、その返戻金の金額は上がっていき、保険金額のおよそ7割程度にまで上昇する事もあるのです。
例えば、300万円の保険金額を設定している場合200万円以上の返戻金が発生する場合もあるという事です。 もちろん、保険料がその分高く設定されていますので、これくらいの返戻金があってもおかしくないと言えばそうなのです。 このように、終身保険は、死後の整理資金に適した保険でありながら、非常に高い割合の解約返戻金が期待できるため、本来の目的である「死後の整理資金」としてだけではなく、他の使い方も十分に可能となるのです。
例えば、高齢となれば、病気や怪我といった事が発生する確率も上昇します。 何事もなく過ごせればそれが一番良いのですが、必ずしも健康でいられるとは限りません。 途中で病気になって入院しなければならなくなったり、景気や情勢によっては老後の生活が不安になる事もあるかもしれません。 そのような時に、解約返戻金をもとに、こうした困難を切り抜けていくという事が可能になるのです。
ただ、解約してしまえば死亡時の保障が失われてしまいます。 ですから、終身保険のような「返戻金が存在している保険」ならば利用する事のできる契約者貸付と呼ばれる制度を上手に利用するというのも一つの方法だと言えます。 そうすれば、死後の整理資金として必要な保障を失う事なく、困難を切り抜ける事ができるのです。
解約返戻金は、毎月支払う保険料と共に自らが積み立ててきたお金だと考える事ができるものなのです。 せっかくそこに使える「自分のお金」があるのですから、上手に利用していく事にしましょう。