終身保険では、保険料の支払い期間を自身で選択する事が可能となっています。 例えば30年間に設定したり、死亡時まで払い続ける終身払いに設定したり、はたまた10年間で支払う事にするなど、都合に合わせた支払い方を選択できるのです。
当然ですが、保険料の支払いにかかる期間が長ければ、それだけ毎月支払う金額は低く抑える事ができ、負担は小さくなります。 逆に、短い期間で払い込みを終えようとすれば、毎月支払う金額は高くなり、負担は大きくなってしまいます。 ですが、短い期間で保険料の払い込みを終えてしまったほうがトータルでの支払い金額は安く済み、お得だという事ができるのです。 とは言え、毎月の保険料が高くなれば、その負担の大きさから生活の安定を失う可能性もあり、なかなか思うようにいかないというのが現実でしょう。
実際、生命保険文化センターによる平成19年度の調査の結果では、「老後に不安がある」としている人が、実に85%にも及んでおり、生活への不安は、年々大きくなっていっているのです。 死後の整理資金のためにと終身保険を契約し、それを維持していくために毎日の生活が不安と隣り合わせになってしまっている現実が、そこにはあらわれているのです。 死後の整理資金として終身保険を契約するのは良い事ですが、そのために生活の安定を欠いてしまうのでは、本来の目的が達成できないばかりか、大切な部分をも壊してしまう可能性すらあるのです。
そのような事態を防ぐためにも、本来の保障機能を残したまま資金の調達をする事ができる契約者貸付を利用したり、最終手段としては終身保険の解約といった方法をとる事も、選択肢の一つにしても良いかもしれません。 死後の整理資金を重要として、生活にも心にも余裕のない毎日を送る事は、とても寂しい事です。 それが老後であればなおさらです。終身保険の持つ機能を十分に、そして上手に利用する事で、生活にも心にも余裕のある毎日を送りたいものです。